
ニートとは学校を卒業した後も就職や進学をせず、就職する意欲も見られない若者のことをいいます。家事手伝いやフリーター、引き込もりとの区別などあいまいな点も多いのですが、ここ数年急激に注目を集めるようになった言葉です。
近年ニートは急増しており、社会的な問題となっています。
厚生労働省ではニートを、「非労働力人口のうち15歳から34歳の若者で、通学も家事もしていない者。学籍があっても学校に行っていない者。既婚者で家事をしていない者」と定義しています。
ここでいう非労働力人口とは、総務省が毎月実施している調査で、無作為に抽出した4万世帯に住む15歳以上の人口のうち、月末の1週間に家事や通学、職業訓練をしていない者の人口のことをいいます。この人口には専業主婦や学生、高齢者が含まれていますが、ニートもまたこの中で大きな割合を占めています。
また内閣府でも、ある調査の中でニートを定義しています。それによると、「高校、大学及び予備校、専門学校に通学しておらず、独身者であり、家事手伝いを含めて、ふだん収入を伴う仕事をしていない15歳から34歳の者」となっています。
ニートの増加に対して政府ではさまざまな対策を投じていますが、そこではニートについて厚生労働省と内閣府の二重の定義がされていること、また家事手伝いがニートに含まれるかの見解が両社で異なっていることが問題になっています。
また現在のところでは厚生労働省の定義が政府の定義とされています。
ニートと区別が難しいものに家事手伝いがあります。
家事手伝いとは本来、親に代わって一家の家事全般を担っているとか、家族経営の事業を手伝っている、家族の介護や幼い兄弟の養育をしていることを意味するものです。
しかし、現実には家事を全く行っておらず、就職や就学の意志のない女性が、花嫁修業を理由に家事手伝いを自称することが多いようです。特に裕福な家庭では働かなくても養ってもらえるため社会に出ず、体裁を保つために家事手伝いを自称する女性が存在するのです。
日本ではこれまで学校を卒業したら就職して経済的に親から自立をし、国に税金を納めることが国民としての義務だと考えられてきました。家事手伝いはやむをえない事情で就職できない場合や、結婚や就職の予定がありそれまでの間一時的に家事を手伝って過ごす場合にだけ使用する言葉だったのです。
時代が変わり、現在では家事手伝いは裕福な家庭のステータスのように捉えられることもあり、本来の意味合いは失われつつあります。体裁を保つだけの自称「家事手伝い」は本来ならばニートとして数えられるべきですが、現実にはさまざまなケースがあり、本来の意味での家事手伝いを把握するのは困難なのです。
厚生労働省の定義では、実際に普段の生活で家事を行っている場合はニートではないと定義されていますが、内閣府によれば家事手伝いもニートに含むとしています。
このように政府においても区別は曖昧であり、「家事手伝い」とひとまとめに捉えられないのが実情です。