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痴呆[認知症]の生活環境上の注意

痴呆[認知症]になると、知能の低下や行動異常などの症状が出ます。知能の低下は、痴呆[認知症]の中核症状ですが、これら以外にも妄想や徘徊などの症状が出ることがあります。
たとえば、夫や妻の不倫を妄想して一方的に嫉妬する「嫉妬妄想(しっともうそう)」、物を盗まれたという「被害妄想(ひがいもうそう)」などです。また、「幻視」といって、本来見えないはずのものが見える、夜中に家のなかを歩きまわる「夜間せん妄」など、があります。
そしてこれらの症状に関連してか、性格にも変化がみられることがあります。頑固になったり、自己中心的になる、あるいはそれまで清潔だった人が発病後、不潔な状況でも平気になってしまったり、というようにです。
周囲の人の対応で注意しなければならないことは、痴呆[認知症]の患者さんは、知的な機能は失われても、感情は繊細であることが多いのです。
したがって、周囲の人が軽蔑した態度をとったり、ご本人を頭から否定するような言動をとると、よくそれを観察していますし、症状をますます悪化させる要因となります。明確な治療法がない疾患だからこそ、病気がある状態そのままでご本人を受け入れる環境を整えることが、病気の進行を少しでも食い止めるうえで非常に重要です。
また、特に老人性の痴呆[認知症]であるアルツハイマー型痴呆[認知症]では、身体の変化や環境の変化が発病のきっかけとなったり、症状を悪化させます。長年勤めた会社を定年になったり、病気やけがで入院生活を余儀なくされたり、といったことです。

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