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時効制度について
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世の中には時効によって刑をまぬがれた人が何人もいます。
一般的には刑法の時効制度を思い浮かべるかもしれませんが、民法にも時効制度はあてはまるのです。
そもそも、時効とはある一定の日時が経過することによって、もっていた権利がなくなってしまうこと(消滅時効)、逆に、自分のものでなかったものが自分のものになったりするすること(取得時効)が、民法の上で認められています。
(消滅時効)
A → → → → → → B
10万円貸す
これでAさんが10年間何の催促もしないでいたら
Bさんは時効を理由に10万円を返さなくてもよくなります。
(取得時効)
A → → → → → → B
Bさんの土地を耕す
これで20年間土地所有者であるBさんが何の異議や
催促もなかったとすれば、Aは現実の土地所有者になります。
一般的には借りた物は返さないといけないというのが道徳的な考えになりますが、そのような道徳的な考えに反するような制度を法が認める理由には、3つのポイントがあります。
1、一定の期間続いた事実状態を法律の上で認めることによって社会の法的状態の安定を図っています。
2、権利をもっているにもかかわらず、それを行使しない「権利の上に眠る者」は法律の上で保護する必要はないという考えにもとづくものであります。
3、長期間続いた事実状態が真実の権利関係であるかどうかを証明することが難しい場合が多く、その現在の状態を正当な法律関係であるとすることによって、証明の困難さからくる裁判上のトラブルをできるだけ避けようという目的をもつものであります。
民法は取得時効と消滅時効という2つの時効制度を認めているのは上記の理由が主になっているからです。
また、それと同時に、この2つに共通する時効制度一般の原理・原則をも定めています。
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時効の原理・原則
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一定の期間だ過ぎて、時効が成立していても、その時効の成立によって利益を受けるものが、時効を成立したことを裁判所に主張しなければ、裁判所は時効の成立に基づいて裁判をすることはできない(145条)。
そういったことで、時効によって利益を受ける者が、その時効を受ける意思を表示することを時効の援用と呼びます。
なぜ、このような制度が認められているかというのは、たとえ時効が成立していたとしても、本人が借りたお金は返さなければならないと考える人であったならば、法律がそういう人に対しても、時効が完成したから返してはいけないとまではいえません。
つまりは、時効制度を利用するかどうかは時効によって利益を受ける者の判断に委ねようというものなのです。
それと、時効利益の放棄というものもあります。
時効の援用と逆のもので、時効の利益を受けないという意思を表示することになります。
そして、この時効利益の放棄は時効が完成した後でなければすることができない(146条)。
時効完成前にこれが可能だとするならば、時効によって権利を失う者が権利を取得する者を圧迫して、時効による利益を前もって放棄させて、時効制度を骨抜きにしてしまう恐れがあるためです。
時効完成に向かって進行しつつある事実状態を断ち切って、それまでの時効時間を0にすることを時効の中断といいます。
中断事由→その時効を中断する者と認められる当事者の行為
↓
認められる3つの事由
1、請求
債権者が債務者に対して債務の履行をするよう裁判所に訴えるとか、所有者がその所有物を事実上使用している者に対して所有権確認の訴えを裁判所に提起します。
時効が完成すれば、権利を失う者が行う権利の行使であります。
2、差し押さえ
仮差押または仮処分 差し押さえとは、裁判などに基づいて債務者の財産の事実上または法律の上の処分を禁止して、これを確保することになります。
仮差押、仮処分とは、判決が確定する間に債務者が財産を散逸させることを防ぐために、あらかじめ債務者の財産を確保する制度であって、仮差押が金銭債権または、金銭債権に変わってくる請求権を対象にしています。
仮処分はそれ以外の物に対する請求権を対象とするものになります。
3、承認
時効によって利益を受ける者が、権利者の権利の存在を認めるような行為することになります。
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